ロボットに仕事を奪われる
移民問題が真剣に検討される中で、安い賃金で働いてもらえる移民が増えることで、仕事がない日本人が増えるのでは?という問題が浮上していますが、
その心配をする前に、人間はすでにロボットに仕事を奪われかけています。
企業からすれば、何時間働かせても効率が落ちない上に、一度の購入費用で壊れるまで使い続けられる
残業問題やら過労問題やらに悩むこともない、組合から非難されることもない
最近また行われた”最低賃金引き上げ”も関係ない
退職金も手当も何も払わなくていい
福利厚生もいらない
と、メリットしかないのです。
競争が激しく、いかにコストを削減するかを考えている企業たちは諸手をあげて歓迎です。
もっとロボットの価格下がり、映画のアイロボットで出てくるサニーみたいな(まあ、あそこまで高度ではなくても)ロボットが手軽に手に入るようになれば、
たぶんアルバイトという身分は消えるでしょう。
誰でもできる仕事はすべてロボットや機械にとってかわられる。
しかも、今のところ世間はそれを喜んでいます。
例えば マクドナルド。
本国アメリカでは・・・・・・
一部店舗でレジの店員を廃止し、ロボットによる自動受付への変更が試みられました。
お店の入り口にタッチパネルを置き、そこでお客さんが注文したい商品をクリックして現金かクレジットカードを入れて決済すれば、商品を受け取れるという仕組みです。
<元記事> http://business.newsln.jp/news/201604112024400000.html
その報道がなされてからまもなく、日本でも一部店舗で同じ試みがはじまりました。恐らくすぐに全国のマクドナルドで導入されると思われます。
<元記事>http://pixls.jp/I0000647
記事を読んでもらえるとわかりますが、お客さんはこの取り組みを非常に喜んでいることがわかります。
・待ち時間、注文のときにかかる時間がかなり減る
・注文の受け間違いがほとんどない
・言語の違いが問題にならない
・お店の人を待たせているという焦りがなく、じっくりと商品を選べる
など、お客さんにとってもメリットが多い。
店側もお客さんも両方嬉しいのです。
でもその裏側では仕事をなくした人、仕事が減った人がいる。
マックだけではありません。
コンビニでもその動きが進んでいます。
つい先週、ローソンとパナソニックが無人レジ、袋詰め自動化を導入したと報道されていました。
買い物カゴをレジ台に置くと自動で金額が清算され、機械に現金やらカードやらを入れて支払いをする。
それが終わると、すでにセットされている買い物袋に商品が詰められていき、お客さんは受け取るだけ。
これをぜんぶ自動でしてしまうのです。
これにより、コンビニ店員の仕事量を約1割減らせるのだそうです。
またレジ金の横領や恐喝強盗、計算ミスなどがなくなるメリットもあります。
そのほか、業務用スーパーも一部店舗で清算のみ自動化しています。
今アメリカで人気上昇中の「Easta(イーツァ)」というボウル(丼)メニュー専門の飲食店も「自動」を売りにしています。
スマホアプリかタブレットで注文すると数分後に、ロッカーのドア(透明な液晶画面)に自分の名前が現れて、裏から商品が出てくる。表には従業員は一人もいませんが、とてもスピーディーで無駄な時間がないことが人気の理由で、1年で4店舗も増える成長ぶりです。
アマゾンもコンビニサービスをはじめました。
来年度からこういった自動化を拡大していくとしている会社が増えており、これからは、ほぼ無人で仕事がまわっているお店も珍しくなくなると思われます。
企業側や利用者側からすれば嬉しいことですが、働く人の立場から見るとどうでしょうか。
仕事の時間を増やしたくても、もっと働きたくても働けない環境になっていきつつあるのです。
この流れによって消えていく仕事は、スーパーのレジ打ちや接客だけではありません。
オックスフォード大学が発表した論文によると
・集金人
・電話のオペレーター
・ブリーダー
・スポーツの審判
・時計修理工
・彫刻師
・映写技師
・メガネやコンタクトレンズの技術者
・造園作業員
・訪問販売員、露天商人
・塗装工、壁紙を貼る職人
・図書館員の補助
・仕立て屋
・簿記、会計、監査の職員
・ネイリスト
・保険の審査
などなど、まだほかにもあるのですが、いろんな職種の仕事が必要とされなくなると予測しています。
それも10年後に90%以上の確率で消えているだろうと言われているのです。
医師や弁護士などの「勝ち組」と言われる知的労働ですら必要なくなる、または限られた極少数の人だけで事足りる時代がくる。
そうなると、生きていくために嫌々ガマンしながらする仕事すらなくなってしまうのです。
政府が守ってくれると期待もできません。
特に日本は多額の借金を抱えている。企業は国外に資産を移し始めているため税収入も減っている。
高齢者が増えて年金と医療費の支出がかさむ一方。 少子化とニート・アルバイト人口の増加により徴収できる税金も少ない。
生活保護を受ける人も増加の一方。 立て続けに起こる自然災害や原子力問題の対応・支払いにも追われている。
もう政府は手一杯なのです。
これからの時代は特に、自分の身は自分で守るしかない。
じゃあ、これからも消えない仕事、なくならない仕事は何なんでしょうか?
それはロボットでは代わりが務まらないこと。生きた人間にしかできない仕事、感情を持ち、相手にそれを渡したり受け取ったりできる人間だからこそできる仕事です。
たとえばカウンセラー。
ボランティアで運営されている「いのちの電話」は朝から夜までひっきりなしに電話が鳴り、なかなかつながらないと言いますが、
人生に絶望した悲しみに沈んでいる人が、ロボット相手に自分の気持ちをぶちまけたいと思うでしょうか。
可能性と確率を基に瞬時に計算されて導き出された、最高に論理的な回答をもらったところで慰められるでしょうか。
機械には自分の気持ちを分かってもらうことすらできません。
これは人間にしかできないこと。だからカウンセラーなど、人の気持ちを向き合う仕事はこれからも残るでしょう。
また多くの人の悩みや考えを聞き、人々が何を必要としているのかを考え、必要なものを届けること。
これも人間にしかできないことです。人間は考えていることと口に出すことが違うことが多々ある。
表情や仕草、目の動きなどから真意をくみ取ったり、得た情報から新しい提案をしてみたり、いろんなデータを組み合わせて瞬時に決断を変えたりと、「考えて」いろんな行動や選択ができるのは人間だけ。
ロボットはあくまで内臓されているデータ内の中でしか動けません。
そう考えると、アフィリエイトはこれからも残ると思われます。
ただ商品を売るのではありません。
商品自体は会社が提供しているものでも、自分で作ったものでもいい。物品でも情報でもサービスでもいい。
それを本当に必要としている人のところへ届ける。橋渡しをする。相手にも喜ばれるし、自分も正当な対価をいただける。
臨機応変にいろんなデータを組み合わせて考えることのできないロボットにはこれは不可能です。
以上、「店のロボット化への取り組み」というニュースを見て感じたことでした。